帯電防止フレキシブルコンテナ開発PROJECT

工場火災の様子。キャプション「1960年代後半頃から、静電気を起因とする災害が産業分野で多数発生」 黒い画面に吹き出し「コンテナ素材の見直しで危険を回避できるはずだ!」

原材料の運搬に使うフレキシブルコンテナを製造していたシバタは、静電気による災害を防ぐため、フレキシブルコンテナの素材見直しに乗り出した。

フレキシブルコンテナが置かれている。キャプション「物流容器であるフレキシブルコンテナ。」「粒状や粉状などの様々な物質の運搬に使用される。」 運送トラックの荷台で静電気が発生するイメージ。キャプション「輸送時や、内容物を取り出す際、摩擦によって静電気が発生、コンテナに電気が溜まっていく…」 爆発のイメージ。キャプション「逃げ場のない電気が放電を起こした時、着火・粉塵爆発などの静電気起因災害が起こる。」

手探りの素材開発がはじまった。

帯電を防ぐため、素材の見直しに着手。
しかし、冬場などに誰もが経験したことのある静電気について研究する人は少なく、文献もほとんどなかった。

アースをヒントに、抵抗値の低い、電気のたまりにくいコンテナ素材の開発を進めるが、抵抗値が低すぎると荷役作業をしている人が感電する事故の危険性がある。

技術者たちが研究を重ね、弾き出したコンテナ素材に最適な抵抗値は—

素材を加工している作業台の様子。キャプション「10の5乗Ω以上、10の8乗Ω未満。」

最適な抵抗値はわかった。だが、素材開発はここから。

最適な抵抗値がわかっただけではまだ、問題が解決したとは言えない。帯電を防ぐことと、必要な強度や耐熱性、品質保持性もクリアする必要がある。

フレキシブルコンテナで運ぶのは、500kg・1t・3tという単位。相当の強度が要求される。
また、中に入れるものの性質に影響を与えず、使用される環境の温度変化にも耐えなければならない。

オーダーごとに内容物に合わせた素材を開発、試行錯誤を繰り返した。

トライ&エラーを繰り返し、1970年代からいくつもの案件に対応してきた結果、シバタには配合設計のノウハウが蓄積され、現在では用途に応じた材質をカテゴリ化することができた。

フレキシブルコンテナの製造風景。加工中のフレキシブルコンテナがいくつも吊るされている。

初出荷以来、静電気事故の発生は一度も報告されていない。

現在、静電気対策コンテナにも電気・電子関係の国際規格=IEC61340が交付され、それに伴い2009年に日本の国家規格JISC61340-4-4が制定されている。
この中で示されている最適抵抗値は、奇しくも、シバタ工業が独自に見つけた最適抵抗値と同じだった。

帯電防止フレキシブルコンテナの初出荷以来、今までユーザーからの静電気事故発生の報告は一度もされていない。