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VOL.4
耐震補強目地材
開発プロジェクト

STEP 1
上下水道設備を地震から守れ。

電気、ガス、水道は、“暮らし”に欠かすことのできない社会インフラである。
とりわけ“水”は、飲む以外にも調理、洗濯、風呂、トイレ等、
食生活から衛生面に至るまであらゆる場面で必要である。
もし、この“水”が災害等でストップしてしまったら……
阪神淡路大震災や東日本大震災を経験した被災者の中には、
「水が止まってしまいとても困った。特にトイレは壮絶でした。」と、悲惨な状況を話す人もいた。
震災で大きな打撃を受けても、水だけは止めない。
大変な状況下であっても、水が止まらなければ、気持ちの面で救われる人々もたくさんいる。
上下水道設備を地震から守るプロジェクトは、阪神淡路大震災の教訓を受けて、スタートした。

STEP 2
大きな実績を残すものの… その後、苦戦。

上水道、下水道における水処理施設や貯水施設等の構造物は、コンクリートで造られている。
コンクリートは気温差や湿度等により伸縮する性質がある。
また、地震等で地盤が動くと構造物そのものが破壊されてしまう。
そのため、大きな構造物をつくる場合、数十メートルおきに目地(切れ目)を設けて建造する。
大きな地震等により、揺れで地盤が大きく動いた場合、この目地が大きく広がる。
特に阪神淡路大震災では、その規模が想定以上だったために、中から水が漏れだしたり、外部から水が浸入してしまい、上下水道設備が全く機能しなくなったところもあった。
その教訓を受け、震災後、全国各地の上下水道設備で耐震補強を行う動きが活発になった。
シバタ工業は、ゼネコンから耐震補強に関する商品開発の相談を受け、目地が広がっても止水昨日性能を損なわない、「目地を補強する製品=目地材」を開発した。
この初代目地材は、1998年関東地区の水道関連施設の2つ案件に採用され、大きな成果を上げた。
しかし、耐震補強という市場のニーズが高まるにつれて競争相手も増え、
初代目地材は、価格面等の条件で苦戦するようになってしまった。
いくら良い性能の製品でも、お客様に採用していただかなければ何も意味が無い。
ライバルに打ち勝つ新しい製品が必要だ。
「初代目地材では戦えない」と判断した営業部門は、2003年、技術部門にライバルに勝てる新しい目地材の開発を依頼した。

STEP 3
敗北寸前。

技術部門が、営業部門の依頼に応え開発した「新しい目地材」は、
ゴム+金網を複合させた画期的なハイブリッド構造の製品なら、
お客様に対して、強力なインパクトを与えられる。
尚且つ、これで価格も従来より抑えることが出来れば、お客様からも採用されやすくなるはずだ。
技術部門は、営業部門からの依頼を受けた、わずか半年後の2004年初めに新しい目地材を完成させた。
しかし、あまりに短期間での開発であったため検証が不十分で、当初は想定したよりも価格を抑えられず、しかも施工面で新たな課題が出てきてしまった。
折しも、営業部門は関東地区の大きな案件をライバルと競っている最中。
この新しい目地材の性能に対し、顧客は満足する一方で、価格面や施工面の課題について大きな難色を示した。
敗北寸前。
目地材の開発は、社会インフラを守るという大きな使命がある。
しかし、いくら良い性能でも実際に設置され、その実力を発揮しなければ、使命を果たすどころか、絵に描いた餅と同じだ。
使命感に燃える技術部門は、二代目目地材を更に改良することにした。

STEP 4
逆転勝利。

2005年3月、予てよりライバルと競っている案件の発注先が決まるまで残りわずか。
技術部門は、これまでに培ってきた上下水道設備に関する知識と、社内のあらゆるテクノロジーを総動員した。
手始めに、ゴム+異素材との複合を、従来の金網から繊維へと変えてみた。
組合せを繊維にすることで、課題の解決+新たなメリットが加わった。
まず、最大の課題である施工について。
既にある構造物に目地材を設置するには、2つの方法がある。
構造物の目地に沿って溝を掘り、その溝に目地材をたるませておく方法と、溝は掘らずに、目地の表面で目地材を弛ませておく方法だ。
ゴムと組合せる素材を繊維にすることにより、目地材自体の厚みが、従来品と比べて驚異的な薄さにすることが出来たことにより、この2つの方法のどちらにも対応できるようになった。
さらに、目地が交差する部分については、特殊ユニットを開発する等、
プラスαの工夫も出来たので、大きな付加価値がついた。
施工性が向上すれば、おのずと工事全体のコストも削減できる。
一石二鳥だ。
また、繊維のおかげで目地が揺れ等で広がった際に、その動きへ柔軟に追従することが可能となり、しかもゴム単体や金網に比べ、目地材自体の強度も大幅にUPするというメリットが加わった。
こうして、更なる改良を決めてから驚異のスピードと追い上げで、ゴムと繊維の複合ハイブリッド構造の三代目目地材が完成した。
そして、2005年6月。
ライバルの勢いを前に風前の灯だったシバタ工業は、一気に息を吹き返し、巻き返しに成功!見事、受注獲得に繋げた。

STEP 5
いざ、日本全国へ。

薄い、軽い、自由自在。
しかも強度もずば抜けて良い。
複雑な場所への施工もお任せあれ。
そして何より、コストが低い。
三代目目地材はライバル各社の製品には無い多くのメリットを持つ。
その評判を聞きつけて、全国各地から引き合い(注文依頼)が来るようになった。
2005年に初めて関東地区の施設を施工してからわずか7年で、北は北海道から南は沖縄まで日本全国で実績を上げるまでに成長した。
「既存の構造物への耐震補強ニーズは、まだまだこれからも増えるはず」と技術者の一人は言う。
「現在は主に上下水道設備の分野で実績を上げていますが、地下鉄、発電所等さまざまな構造物や場所に応用することができる」と、
さらなる市場の広がりも視野に入れている。
上下水道設備の機能を地震から守る目地財は、構造物だけでなく、様々な「命」を守る目地材へと発展しつつある。

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