CIVIL ENGINEERING AND CONSTRUCTION

細粒土砂の流出による災害を防止

細粒土砂の流出による災害を防止
細粒土砂捕捉

簡易に設置が可能な新しい砂防施設
近年の気候変動による災害の激甚化・頻発化にともない、豪雨時に発生する土石流など大規模な土砂災害が発生しやすい状況になっています。
鋼管を組み合わせて作られた透過型砂防堰堤。
その後の降雨により中長期的に細粒な土砂(掃流砂)が流出して、下流の集落で氾濫被害が多発するおそれも高まってきています。 この氾濫被害の原因の一つである掃流砂に対しては、これまで整備されてきた砂防施設のみでは十分に対応することはできません。
「土砂捕捉スクリーン」は中長期的な細粒土砂の流出による災害を防止すること、かつ簡易に設置が可能な新しい砂防施設として株式会社建設技術研究所とシバタ工業株式会社が共同で開発しました。
特に、山地部に近い新興住宅地や山間地で流末水路が十分でない集落等において、豪雨災害後の土砂による氾濫被害を防止・軽減いたします。

特長

  • 【工場組立短期施工】土砂捕捉スクリーンは工場で組み立て出荷し、非越流部コンクリートの側壁掘り込み部に上部から挿入するだけの簡単、短期施工です。
  • 【取り外し可能】土砂捕捉スクリーンは取り外し、撤去可能なため、常時は設置せず保管(備蓄)し、必要に応じて設置することが可能です。
  • 【フレキシブル構造】同構造の非越流部構造であれば、他の施設でも使用可能です。
  • 【シャッター構造:部分開放可能】スクリーン部は、人力で開放できる構造です。ネットは取り外し、また下層を取り外し、上層に手繰り寄せることで、部分的な開放が可能です。
  • 【安心維持管理】土砂捕捉スクリーンや部材は撤去が可能なため、除石が容易、また損傷した部材のみ交換が可能なため維持管理しやすい構造です。
土砂補足スクリーンの働きの図。土石流などの巨礫や流木を補足する透過型堰堤の下流側に設置され、透過型堰堤を通過してきた細粒土砂を捕捉する様子。
時間経過による土砂流出量の変化を示すグラフ。土石流など短期間の大規模土砂生産が発生すると、その後数ヶ月から数年にわたり、土砂流出が続く。として土砂補足スクリーンは中長期の土砂流出に対応する新型砂防施設です。

土砂捕捉スクリーン構造

土砂捕捉スクリーンは、水通し高さ2mとし、水通し幅2mおよび3mに適用します。構造は、4辺をH形鋼で構成した鋼製フレーム内に、弾性チェーンと鋼製チェーンを連結した水平部材を配置し、その上流側に網目40mmの超高分子量ポリエチレンネットを配置した構造です。 連結したチェーン部とネットが一体的に機能して、流下した土砂を効果的に捕捉します。

静的荷重載荷実験

水通し高さ2m、幅3mに設置した土砂捕捉スクリーンを想定し、その堆砂圧と静水圧の合計を土砂の重量に換算し、上載荷重として土砂捕捉スクリーンに載荷させた静的荷重載荷実験を実施しました。

●載荷圧力32.6kN/㎡(土砂投入量91kN)とし、礫径20~40mmを約10cm厚に積上後、土砂を投入
●超高分子量ポリエチレンネット網目40mmに網目25mmのネットを併用して使用

結果:部材の強度に問題なく、安全に土砂礫を捕捉することを確認。

土砂投入状況

実験状況(鋼製チェーン側)

実験状況(弾性チェーン側)

適用条件

土砂捕捉スクリーンの適用範囲は以下の通りです
土石流区間、掃流区間を問わず、出水時の土砂流出等に対応できる施設の下流側近傍への設置が必要です。
(本製品の荷重条件は自重、堆砂圧、静水圧を対象としています。)

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